施設で受けられる医療行為・医療ケア

medical care

健康面に不安があると、老人ホーム選びはより慎重になります。安心して暮らせる施設を選ぶためには、施設の医療体制を知っておくことが大切です。  今は医療的ケアの必要がなくても、ご高齢になると誰もが病気や怪我をしやすくなります。いざというときに慌てないためにも、しっかり理解しておきましょう。

老人ホームでは介護職員や看護職員が、認められた範囲内で、医療行為・ケアを行います。
施設内に医師がいる場合は、診察や簡単な医療処置なども可能です。

しかし、老人ホーム・サービス高齢者住宅は介護施設なので、医療機関と同じような医療は受けられません。そのため、高度な医療や処置が必要な人は入居を断られることがあります。最近では24時間看護師常駐の介護施設も多くなってきました。ただし、看護師のできる行為だからといって全ての施設で対応できるとは限りません。運営企業の管理体制や職員の経験やスキルによっても変わってきますので十分確認が必要になってきます。
ここでは、介護職員、看護職員、医師、それぞれが行うことができる医療行為・医療的ケアを個別に解説していきます。

介護職員ができる医療行為の範囲について

care staff can do

平成17年7月26日付け医政発第0726005号厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」より抜粋

① 医療行為ができる者について

・医師:医業、・歯科医師:歯科医業、・保健師・助産師・看護師:療養上の世話又は診療の補助

② 介護職員と医療行為について

以下の場合を除き、医療行為はできない。
・登録喀痰吸引等事業者として登録を受けた事業所の介護福祉士が喀痰吸引等を行う場合
・登録特定行為事業者として登録を受けた事業所の介護職員(認定特定行為業務従事者認定証の交付を受けた者に限る)が喀痰吸引等を行う場合

※介護職員:認定特定行為業務従事者認定証の交付を受けた者に限る

③ 介護職員と医療行為について

 上記②に該当する介護職員ができる医療行為は、医師の指示の下に行われる次の行為に限られる。
 ・口腔内の喀痰吸引
 ・鼻腔内の喀痰吸引
 ・気管カニューレ内部の喀痰吸引
 ・胃ろう又は腸ろうによる経管栄養
 ・経鼻経管栄養

④ 医療行為に該当しない行為  (介護士が行えるが、条件やルールがあります)

① 水銀体温計・電子体温計及び耳式電子体温計
② 血圧測定(自動血圧計のみ可)
③ パルスオキシメータを装着(ただし、入院治療を必要としない者)
④ 軽微な傷・やけどの処置(ガーゼの交換、絆創膏を貼るなど。専門的な判断や技術を必要としない)

⑤ 皮膚への軟膏の塗布(祷瘡の処置を除く)
⑥ 皮膚への湿布の貼付(医療麻薬は不可)
⑦ 点眼薬の点眼
⑧ 一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む。一包化以外は不可。誤嚥の可能性がないこと)
⑨ 肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助する(坐薬は、肛門からの出血の可能性がないこと

※⑤~⑨の行為については「01~03と( )内を確認した上で、04→05→06→07の手順」を踏んでいき初めて介護士が行える
 01.治療する必要がなく容態が安定している
 02.副作用・投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要でないこと
 03.当該医薬品の使用について専門的な配慮が必要でないこと
 04.医師または看護職員が確認する
 05.同上免許ない介護士に使用の介助ができることを、本人または家族に伝えている
 06.事前に本人または家族の依頼に基づくこと
 07.医師・薬剤師指導のうえ、看護職員の指導を守り使用を介助する 

⑩ 爪切り(ただし、爪に異常がなく爪周囲の皮膚にも化膿・炎症がなく、糖尿病等を伴う専門的な管理が必要でない場合に、爪切り及び爪ヤスリでおこなうこと)
⑪ 口腔ケア、重度の歯周病等がない日常的な口腔内の、歯ブラシ・綿棒・巻綿子を用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き清潔にする。
⑫ 耳垢の除去(耳垢塞栓の除去は不可)
⑬ 爪切り(異常がある場合は不可)
⑭ ストマ装具のパウチに溜まった排泄物を捨てる(ただし、肌に接着したパウチの取り替えを除く)
⑮ 自己導尿を補助するためのカテーテル準備・体位保持をする
⑯ 市販の浣腸(ただし、挿入部長さ5~6㎝以内、グリセリン濃度50%、40グラム程度以下までとする)

 

 

入居時に多い医療措置

medical measures

インシュリン投与、胃ろう、透析、気管切開、鼻腔経管、在宅酸素、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、たん吸引、中心静脈栄養(IVH)、尿バルーン、ペースメーカー、ストーマ、褥瘡(床ずれ)、認知症、疼痛管理、腸ろう、末期がん、進行性筋ジストロフィー、脳管疾患、脊髄損傷、蘇生後脳症、人工呼吸器、その他

インシュリン投与

糖尿病患者の不足しているインスリンを、体の外から注射で補給して血糖値を下げます。1型の糖尿病患者さんには必ず必要なものです。インスリンは、作用する時間によって次の5つに分けられます。同じ分類内でも投与方法や作用時間などに少しずつ違いがあります。糖尿病の状態や、合併症の有無、ライフスタイルを十分に見極めた上で、いちばんあったインスリンが処方されます。

胃ろう

胃ろうは、お腹に開けた穴にチューブを通し、直接、胃に食べ物を流し込む方法です。取り付けられた器具を「胃ろうカテーテル」と呼び、内視鏡を使用して胃ろうを造る処置のことをPEG(ペグ)と呼びます。PEGはPercutaneous Endoscopic Gastrostomy(経皮内視鏡的胃瘻造設術)の略語。カテーテルには、色々な種類があります。

透析

透析とは、腎臓の働きの一部を人工的に補う治療法です。腎臓の主な役割は、ごはんを食べたり、水を飲んだりすることによって体に溜まった余分な水分や塩分、老廃物を尿として体の外に出すことです。

気管切開

気道管理の方法の一つです。肺に空気を送ったり、痰を吸引しやすくするために、気管に孔を開けることを気管切開といいます。切開した気管には、気管切開チューブというものを挿入します。気管切開は、気管挿管が長期にわたる(または長期化が見込まれる)場合、自己喀痰が困難な場合、経口気管挿管が困難な場合、頭頸部領域の手術・外傷に付随する場合などに行われます。

編集中・・・

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